2009年6月15日月曜日

リーダーシップの旅

日本におけるリーダーシップ研究の第一人者
野田智義さん、金井壽宏さんの共著「リーダーシップの旅」にこんな
一説がある。忘れないでおきたい大切な言葉だ。


夢を持ったり、志を立てたりすることは、「自分探し」と一件似たところが
ある。しかし、自分探しが、逃げ道や問題先送りの言い訳になっている限り、
それは私たちをどこにも連れて行ってくれない。自分探しに明け暮れるよりも
今の場所にとどまり、現実と向き合って、自分にとってのハードルを一つ一つ
乗り越えていくことが必要ではないだろうか。
実績を上げ、人の信頼を勝ち取り、信用を蓄積していくことは、自分にとっての
リーダーシップの旅を準備するためにも、旅を始め、継続するためにも有効だ。
では、私たちは、この数年でどんな信頼を蓄積したのだろうか。それは、
裸の自分として得た信用だろうか。それとも、名刺や所属する組織の肩書きに
よって得た信用だろうか。
信用(信頼)の蓄積には、落とし穴が待ち構えている。手段であるはずの信用蓄積が、
いつの間にか目的になってしまうと、私たちは旅にでることができなくなる。
しかも皮肉なことに、努力家で責任感が強い人ほど、日常に追われ、不毛な忙しさ
から抜け出しにくい可能性がある。
立ち止まり、自分と対峙し、改めて自分が来た道を振り返る。そこに、自分が本当に
望んでいたものがあれば、大人になっても夢や志を持つことができる。
現在の競争だけに捉われていないか。忙しいふりだけをして、「見えないもの」を
見ること、大きな絵を描くことを忘れていないか。リーダーシップの旅においては、
立ち止まって振り返らないと、見えないものがある。

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